小泉政権の終焉と安倍政権への期待
2001年誕生した小泉政権は、医療や介護、年金や社会保障の分野においては 国民負担を増やすばかりで、「巧言令色少し仁」の諺のごとく無責任な政権でした。
9月20日自民党総裁選挙で安倍政権誕生による厚生労働大臣に、医療や介護に 理解のある政治家が、配置されることが望まれます。今後、高齢者や障害者の負担 増により、医療機関窓口での支払いに耐えられない患者さんが確実に増えることが 予想されます。
医療機関の収入も間違いなく減少し、経営に多大な影響を与えることでしょう。 国民の命を軽んじる政権は早く退場してもらわねばなりません。
小泉政権退陣後には、消費税の税率アップも論じられています。過去5年間の財 務省や経済財政諮問会議のメンバーによる国民負担増による社会保障制度改革は、 21世紀の日本人にとって未来を期待できるものではないようです。
すべて医療や介護を自由市場経済に任せると、貧富の差が命の差に反映される社 会となり、いわゆる格差の拡大につながり、多くの国民が悲劇的な生活を強いられ ることでしょう。
日本医師会は社会保障を平時の安全保障と位置付けており、国民皆保険制度を堅持し、いつでもどこでも安価な費用で、世界トップレベルの医療を国民が享受できるようにしております。世界一の日本の社会保障制度を破壊しようとする勢力こそ抵抗勢力ではないでしょうか。国民の小泉政権による集団催眠術からの早期の覚醒を望むばかりです。国民負担が現実に増加して生活に影響し始めてきた頃には、安倍政権に代わっていることでしょうが、修正できる法律は国民のためにも修正させねばなりません。
さて、さる8月22日に日本医師連盟推薦の武見敬三参議に2007年7月における参議院選挙に立候補要請がなされ、本格的な選挙戦に入りましたことをご報告いたします。
自民党は前回の2005年9月11日の郵政民営化法案の是非を問う解散総選挙により、都市部での浮動票により勝ちすぎた嫌いがあるために、次の参議院選挙での自民党の苦戦は間違いないでしょう。さらに、国民負担増による医療制度改革や消費税アップは国民に嫌われること間違いなしです。その逆風の中での武見敬三参議の再選を確実なものにしなければなりません。武見敬三参議の厚生行政における見識の高さや、政策能力は成田町や霞ヶ関のみならず、米国の政界からも信頼されている存在です。さらに、日本医師会の主張する国民サイドに立った医療政策の主張は、武見敬三参議の考えと波長を共にするものであり、安心して政策立案を任せられるものです。国民のためになる政治家であることは真に保証できます。また、安倍晋三官房長官や麻生太郎外務大臣と武見敬三参議が親戚筋になる閨閥を形成していることも心強いものがあります。そして、自民党の世代交代がさらに進み、21世紀に対応できる若さみなぎる本格的政権の確立を望むものです。小泉政権と違う民主的政治手法が大切でしょう。国民にやさしい政策を実現していただきたいものです。 |

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平成18年度
「第一回患者安全推進セミナー」より
平成18年7月20日 福岡国際会議場
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●病院機能評価機構の患者安全推進協議会主催で、診療報酬加算対象項目「医療安全管理者の専門的研修」の報告です。
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IT化を進めるうえで、新たに発生するアクシデント・インシデントの検討、IT化することによるアクシデント・インシデントの防止、ユーザー側・ベンダー側共通の課題と洗い出しと対策の検討の3項目を検討項目とし、これまでの委員会の活動報告として、(1)オーダーに関したアクシデント・インシデントの調査、(2)インシデント・レポーティングシステムに関する調査、(3)IT化により生じたインシデント収集があり、今後は、病院情報システムに関する医療安全上の指針等の作成がありますが、各病院個々により業務フローが標準化されている現状ではあまり意味がなく、個別事例をQ&Aのようなものを作成したほうが実用的との意見で、アンケート調査を実施し事例収集に努めQ&A集を発行する予定だそうです。
事例発表では、専任の医療情報及び医療安全の担当者から発表され、当院の現状からすれば難しい面が多いと言ったところでした。リスクとはその損害の重大さと発生頻度からなり、リスクは業務の中には常に存在しています。それを適切な管理によって減らすことがリスクマネージメントです。安全とは「リスクが許容できるものであるという状態」と定義され、リスクマネージメントの考え方は、ヒューマンエラーとして人間の情報処理能力の限界で一定の確率で生じる現象を、リスクマネージメントすることにより限りなく少なくする。
医療機関において安全システムを構築するための基本原則として(1)リーダーシップの発揮、(2)人の能力の限界に配慮した作業プロセスの設定、(3)チーム機能の強化、(4)不測の事態に対する構え、(5)学習を支援する環境の整備があげられ、この5項目を確率すれば病院の医療安全は増すとも言われた。
大病院ともなれば、オーダリングシステム、バーコード認識システムによる管理等IT化も進み、医療情報機器に対する安全対策も進んでいるようです。IT化を進めて行くには、病院収益の3〜5%をかけないと進んでいかないようです。 |
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第2部:地域医療と医療安全
〜診療報酬改定による医療安全管理の影響〜 |
大道 久先生の医療制度改革と医療安全の話しに続き、医療安全と今後の課題と題して、大規模病院、中規模病院、小規模病院のそれぞれの立場から事例報告がなされました。後者の小規模病院の話は、当院に一番類似した病院で興味を持てるものでした。と言っても病床数は当院の2倍の129床で医療安全に対する対応も進んでいるようです。専任の医療安全管理者はいないものの、発表された副院長が統括責任者としてリスクマネージメント委員長も兼務されているそうです。日々の診療業務に加えてこういう兼務業を、中心になって進めてもらうことは小規模病院としては重要なことでしょう。転倒・転落の事例が7割と当院の事例と似ていますが、転倒・転落に関する分析、評価もしっかりとされていました。リハビリ病院という診療科による影響するものと思いますが、入院患者すべてに入院当日に転倒転落アセスメントスコアをつけて、その危険度により個々に防止策を立て、ケアプランに書き込む。朝のモーニングケアに関しても職員数を増やし、介助方法や介助量、移動方法などが変更に成った場合の情報伝達の徹底、各部門でのミーティングで事故報告や事例検討が行われ対応策が提案され、それが各スタッフに周知徹底されていることなど、見習うことばかりでした。病院全体として、またスタッフ一人ひとりの意識の持ち方が良いのでしょうか。
今回5病院の事例発表を聞き、当院の医療安全に対する取り組みの薄さを痛感させられました。当院のヒヤリハット・医療事故報告書の提出件数からみても、情報を公開して今後の医療安全に役立てようとする意識も薄く、対応策を作り出すこともなく、日々の業務に追われている様です。明るく活気のある職場つくりから始め、患者様が安心して治療に専念できる環境を整備し、医療安全に対する意識を職員全員で高めていきたいものです。
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医療事故ヒヤリハット
医療安全対策委員会が、平成17年度の事故報告及びヒヤリハットの院内報告をまとめました。
事故報告が29件、内訳をみると転倒・転落が全体の69%を占め、注射の施行忘れ、注射液のミキシング間違い、薬の規格違いや投与忘れ、食事療養中の飲食、見舞客のエレベーターによる指挟み、看護スタッフの針刺しなどが報告されています。ベッドからポータブルトイレへの移動時の転倒・転落が多く、ナースコールを押してもらって介助すべき事が、患者さん自身で移動され、転倒・転落されるケースが目立っています。中には歩行訓練中に転倒された事例もありました。このくらいは自分ひとりで大丈夫だろう、看護師さんが忙しそうにされていたからと遠慮されて事故になった例もあるようです。
またヒヤリハット報告が34件で、全ての体験が報告されているかが問題ですが、ヒヤリハットを体験しても、それをヒヤリハットだと気付かない、またヒヤリハットと思っても報告書を提出しないケースもあるようです。今後の医療安全に対する意識を高めるためにも、報告の必要性を自覚して欲しいものです。
幸いに骨折や生命にかかわるような事故ではないものの、一歩間違えれば重大事故になりかねません。治療中に起こる事故は病院として最も注意を払わなくてはいけません。今まで報告された事例を再度起こさないためにも、委員会として啓蒙活動を行い、患者様が安心安全な治療が受けられるようにしていきたいと考えます。。 |
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今年も元気に踊りました。
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編集後記
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今年の夏は例年にない暑さで、今もなお厳しい残暑が続いています。先日終了した高校野球も好ゲームが続き、さすが甲子園見応えのある試合が多く、二人のニューヒーローも誕生し日本国中を湧かせてくれました。
夏休みも終わり、今日から二学期。実り多き秋を迎え、充実した毎日がおくられるよう精進したいものです。 |
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